空間を読む〜ピアノを演奏するために

ピアノを弾いていて、どんなに練習しても、なんだか上手く弾けないなぁ…という時、

音と音の空間が読めていないもしくは、音と音の間を感じられていない

ことが原因であることが多いです。

ピアノは減衰楽器ですので、人の声やバイオリン、管楽器のように
ぁああああああ
とだんだん音を大きく膨らませることが楽器の構造上できません。(時間が経てば、伸ばした音は消えてなくなってしまいます。)

だからなのかわかりませんが、音を出す時には、そこそこ気をつけて良い音は出しても、出してしまった後の音の行方に気を配る人がなんと少ないことか…。

ぽーーんと奏でた音の命、あなたはちゃんと最期まで聴き尽くしてあげていますか??

音符の長さ=音の命の長さ休符の長さ=休符という、無音の「間」の長さ
であり、「間」もまた「無い」音の命が宿っています。

非常に哲学的な感覚ですが、
あるものは、そこにある
ないものも、そこにある

そこにある、とは
命が息づいている ということ
呼吸が流れる ということ
時が流れる ということ

だから、
音が伸びていれば、その音価分の音の命の重みを感じ、
音がなければ、その無音という空間を重さを感じ、
時の流れを感じる
ことがとても大事です。

これが、音の「空間を読む」ことだと私は考えています。

これが出来るだけで、演奏はより繊細で柔らかで、より人の心と身体にふわりと溶け込み、周りの空間と同化するような自然な音楽性を持つようになります。

なぜならば、
自分の話を最後までよく聴き、全てを受け止めてくれる人と一緒に過ごすひと時は、心から安心し、守られている安心感と喜びに満たされ、その人の前ではより自分らしく自然に振る舞うことができるかと思います。
音楽も全く同じです。

あなたによく聴いてもらえた音霊たちは、安心し、傾聴される喜びに満たされ、よりその音らしく自然にのびのびと振動することができるのです。

逆に、弾いた後あなたに知らん顔されると、知らんぷりされた音たちは拗ねてしまって「つまんない」音でその感情を表してきます。

まるで占い師のようですが、笑。
私は生徒さんのピアノの音を聴けば、

その生徒さんが
どんな性格で
今どんな感情を抱いていて
何を考えながらピアノを弾いているのか など

生徒さんの性格、精神状態、感情、身体の中の状態まで大体解ります。

ピアノはその人の全てを丸裸にして映し出します。

だからこそ。音の命を感じ、音の無い空間も感じ、「空間を読み、感じ、活かす」演奏がとても大事なのです。

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2021.1.4

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