異名同音は、同音ではない

「異名同音」という
楽語(音楽の言葉)があります。

呼び方は違っても、
同じ音のことを指すんだよーっていう意味です。

身近な例をあげると、
あっちゃん 
とあだ名で呼んでも

あつしくん 
と名前で呼んでも

同じ男の子を指していることには変わりない
感覚に似てるかな。

音楽の世界での異名同音は、
具体的に言うと、

ドのシャープ#と
レのフラット♭は

同じ音を指します。

ピアノの鍵盤で考えると
とても分かりやすいですね。

人差し指で指している鍵盤が
ド#とレ♭の鍵盤です。

でもこれって
ほんとに同じ音なんでしょうか??

シャープとフラットの持つエネルギーは違うんです。

たいてい小さな子どもに
異名同音の話をすると、
「??」
な反応を示します。

いやー、こどもは正直。
するどいですね。

??が正しいんです。

私たちの感覚として、

シャープ#は半音上がり
(半音がわからなければ、
「少し音が高くなる」
という認識でOKです)

フラット♭は半音下がります。
(少し音が低くなる)

音が高くなる時の気分としては、
テンションが高くなったり嬉しかったりすると

きゃーっ!! とか
えーっ‼︎ とか
いう声はうわずり、高くなりますよね。
あの感覚です。

なので、
ド#はドを弾くよりも、

気持ち(意識)が上向きのエネルギー
になります。

逆にフラット♭の場合は、
誰かに叱られた時にしゅんとなり
「ごめんなさい」とボソッとつぶやく

もしくは、
お母さんがこどもをなぐさめる感じ
「大丈夫よ」とあたたかく包み込むイメージ。

レ♭は、レに比べると
暗い感じ沈んだ感じ
優しくあたたかい感じ

になります。

エネルギー的には下向き方向です。

音の持つエネルギーを意識してピアノを奏でよう。

お分かり頂けたかと思いますが、

ド#は上向きのエネルギー
レ♭は下向きのエネルギー


を発しているんです。

そして、
ここからがとても重要なポイントなのですが、

楽器を鳴らす人(私たち)が
そのことを理解して、
意識して音を鳴らすかどうかで、

同じド#であっても
音の高さが微妙に変わってくるということ。
(これは全ての音に言えることですが)

音の高さが微妙に変わるということは、
伝えるメッセージも変わる
ということです。

なので、
ド#もレ♭も

「異名同音だから同じ音じゃん!」

と思ってしまうと、
音の効果は激減します。

最初の話に戻ると
あっちゃん 
と呼ぶのと

あつしくん 
と呼ぶのは
同じですか??ということです。

違いますよね。

しかも、私たちは
意識してどちらで呼ぶか選択しますし、
無意識レベルでも使い分けています。

要するにそういうことなんです。

ピアノの構造上、
ド#とレ♭を表す鍵盤は
ひとつしかないので、
写真の鍵盤を鳴らすしかないのですが、

感覚の鋭い声楽家や
他の楽器の奏者は、

ド#とレ♭は別ものだと
認識していると思います。

そう考えると、
ピアノは簡単に音が出る楽器だからこそ、

”繊細かつ敏感な感性が要求される楽器”
であることがよく分かりますね。

ハテナ意識を大切に。なぜ?に向き合うことは感性を育てることです。

勉強全般に言えることですが、
単語と意味だけ機械的に覚えるって
本当に無意味だと思います。

こどもの「??」という反応が
正しいんです。

そしてそのハテナは、
私たちも昔感じていたはず。

なのに、世の中ハテナが多すぎて、
次から次へとどんどん急かされて
なんとなく「何で?」ってきけない雰囲気があって

その時の状況とか
なにかしらの事情があったのですが。

ハテナ意識を持つことを放棄して
ただただ知識や技術を
言われるままに詰め込んでましたね。

でもそんな状況ともさよなら。

なぜ?と堂々と対峙して
生きていく世の中に変わったな
と最近強く感じます。

これってとても良い変化♪

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2021.1.11

奏法について, 大切なこと