自称「落ちこぼれ」だった音大卒のピアノ講師の私が、面白いくらいに楽に弾けるようになるまで〜その②

前回の続きです。
(前回の記事はこちら。)

自力でもっと弾きやすい弾き方、こういう音を出したい!と願っている理想の音の出し方を、ああでもないこうでもないと探るのは、ある意味遠回りかもしれません。

でも、その時の私は「自分で」いろいろやってみたかったんだと思います。

ツィーグラー奏法を学んだ時、今までのピアノの奏法とは全く違うアプローチで、これでもかというほど丁寧に一音一音扱っていく、聴き尽くしていく体験をしました。だから仮に他の先生に師事したら、せっかく知った新しい音の世界観が崩れてしまうのではないかと不安になったんです。

手のひらの力を緩めて弾き、音の核を捉えて軽やかに響かせると、自然とこれまでよりも周波数の高い音を聴くようになります。また、指を離して次の音に飛ぶ時も、実際には音は切れてしまっていても、自分の中では音が伸び続けている感覚で次の音に跳躍するテクニックや、自分自身もピアノと同様に振動しているのを感じて音を鳴らす、背中側まで響かせて弾くなど、これまで聞いたこともないような神秘的な音に対する意識、感覚、精神性を学ぶことができたので、一旦学ぶという受け身から、自分なりに咀嚼して落とし込む作業をしたかったのかもしれません。

「音は振動」だという感覚は、科学的な観点からすれば極めて普通なのですが、音楽をやっていてそのような言葉を発することはこれまで一度もありませんでした。特にピアノという楽器は、鍵盤を下げれば自動的に音が鳴るので、管楽器や弦楽器、声楽のように空気や管、弦、楽器や自分の身体を震わせて音を鳴らすという、当たり前だけど大事なことを忘れてしまいやすいです。というか、そんなこと教わらないのですっかり抜け落ちていました。

「共鳴する感覚」をツィーグラーで学びました。レッスンでも、生徒さんの身体や心の中で何が起こっているのか、何が原因で「できない」のか、どういう聴き方や意識、身体の使い方をしているから「弾きにくい」状況を生み出しているのかを、生徒さんの感覚と自分の感覚の違いを比べながらアドバイスできるようになりました。

ピアノ以外の知識や感覚、テクニックから学ぶ

「音は振動だ」という事実を知った私は、「振動」とはなんぞや?ということに興味が向き始めます。ネットで「音 振動 福岡」などと検索し始め、振動について教えてくれるところを探しました。

そして「レイキ」を知ることになります。

レイキとは、人から出ている波動で自分や他者にエネルギー(レイキ)を送り、循環させて、人の心とからだを元気にさせるエネルギーワークのことです。

手から波動が出てるんだ!というのもびっくりだったのですが、単純な私は、だったらその目に見えないエネルギーを操作できるのであれば、ピアノの音ももっと心地良いもの、素晴らしいものに変えられるに違いない!と思い、レイキを学んでみることにしました。

レイキの先生曰く、レイキを学びにくる方の多くが、生きるのが苦しいとか、人間関係や健康の悩みを解決したいから、スピリチュアルに興味があるからとかだそうで、私みたいに、「ピアノに活かせそうだから!」とルンルンで来ることは前代未聞だったそうです、笑。

正直なところ最初のころは「本当に手からエネルギーなんて出てるのかなあ???」と半信半疑でした。少しずつですが、目に見えないものを感じるということに慣れていきました。もともと音も目に見えないエネルギーなので、受け入れやすかったのかもしれません。

ここでの学びは本当にたくさんあるのですが、音をエネルギーとして捉えて考えられるようになったというのが一番大きな収穫だったと思います。

また、自分の氣を送りエネルギーを循環させるということは、まずは自分自身が整っていないといけないわけで、レイキの伝授とともにひたすら自分で自分の内面と向き合い浄化するということをさせられました。

すると自分の周りの出来事や人間関係も変わり始めるという不思議な体験を度々するようになり、「自分がこの世界を作っている」「自分が変われば全てが変わる」ということを身を持って学ぶことができたのです。

自分の氣を循環させる行為は、普段の生活においても、そしてレッスンでも普通に誰もが行っているわけで、いかに自分をいつも整えご機嫌な良い状態でいるかを常に意識して毎日過ごしたりレッスンを行うようになりました。

これって、特に先生業やお母さん、人の上に立つ立場の方に必要なことだと思っています。お母さんがいつもニコニコしていてご機嫌でいれば、家族はみんな幸せになるし、先生もまた然り。何かを学ぶ時に萎縮してしまうと自分も持てる力は発揮できないし、ましてや知識やスキルは身につきません。才能の開花などできるわけもありません。

日本の音楽業界って偉い先生になればなるほどレッスンが怖い、先生に嫌われたらお先真っ暗!みたいなところが昔はあったのですが、それって本当に悪い習慣で変えていかないといけないと強く感じています。(もちろん人間的にも優れていて優しい先生もいらっしゃいますよ。)

また、エネルギーを送る時って「何もしない」「無になる」ことが大事なのですが、どういうことかというと、エネルギーを送ろう送ろうと頑張ると逆に流れが滞ってしまうのだそうです。ツィーグラーのレッスンでも「何もしない」「弾こう弾こうと頑張らない」ことを何度も注意されました。この後学ぶ「お豆奏法」「URAHAKU」でも同じようなことを言っています。

頭使っちゃだめなんです。ただ感じるだけでエネルギーは循環するんです。自分も人も全てのことを操作しない、委ねる。このことがうまく循環するコツです。

Don’t Think, Feel! ですね、笑。

でもね〜、この「何もしない」がとっても難しいんですよね・・・。何かしたくなっちゃう(汗)。

長くなってきましたので続きは次回。ご飯作らなきゃ、笑。

2024.7.31

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