覚えにくく弾きにくいパッセージをいかに早く習得するか①

バッハのパルティータ第2番を
年明けから練習し始めました。

どうしても、
このアルゲリッチのような

知的で精神的な
「思考し語りかけるピアノ」
「自然と調和し繋がり合うピアノ」

に近づきたいと思うようになったからです。

今回は、そんな私が
バッハを練習する過程で
色々感じたことをまとめてみました。

お役に立てましたら幸いです。

弾きにくく覚えにくい曲の代表であるバッハ。バッハをピアノで弾くってどういうこと?

みなさんは、
小学校や中学校で
二部合唱や四部合唱を経験されたかと思います。

二部合唱であれば、ソプラノとアルト
三部合唱であれば、ソプラノとアルトとバス
四部合唱であれば、ソプラノとアルトとテノールとバス
に分かれて歌いましたよね。

覚えていらっしゃいますか?

そのときは、
ご自分の声の高さに合ったパートを選んで

同じパートの人で集まって音取りをして、
ある程度スムーズに歌えるようになったら
全員集まって試しにみんなであわせて歌ってみる

みたいな練習をしましたよね。

ピアノのバッハの演奏は、
この作業をすべて一人で行なうんです。

二声であればソプラノとバス
三声であればソプラノとアルトとバス
四声であればソプラノとアルトとテノールとバス

の各パートを10本の指で弾き分けて演奏します。

そして、おそらくみなさんはご自分のパートを歌う際に、

「ここはささやくように」
「ここからはだんだん盛り上げて!」
「ここの歌詞は、一音一音はっきりとしゃべって!」
「ここはソプラノの音をよく聞いて支えるように」

など、みんなで意見を出し合いながら
表現の工夫をしたかと思います。

ピアノの場合は、
このような細かい表現を
全てのパートに対し10本の指を用いて行います。

さあ、どうですか?
大変そうでしょう?

はい、本当に大変なんです。
とにかく弾きにくい。
そしてなかなか覚えられないんですよね…。

なので、
両手で思うように弾けるようになるためには
緻密な練習を要します。

何とか無駄な練習を極力なくし、
少しでも楽にスムーズに覚えて弾けるようにならないかな…
と日々試行錯誤しています。

バッハの効果的な練習方法とは。

そこで今日は、
エアピアノでイメージトレーニングをしっかりやってから
実際にピアノで弾く
ということを徹底してみました。

エアピアノとは、

ピアノの蓋や膝の上などで、
ピアノの音を鳴らさずに指だけを動かす

練習法です。

音を出さずに
いかにどれたけ
”緻密に正確に”指を動かせるか
が重大な鍵です。

なんとなくこんな感じ
では、何度弾いても同じところでつまずきます。

指を動かすと同時に、

・頭の中にピアノの音を
 鮮明にイメージできていること
・白鍵と黒鍵、自分の指との配置関係を
 リアルに脳内で再現できていること

が必須です。

これをクリア出来た状態で
実際にピアノを弾くと、
本当にさらりと弾けてしまいます。

バッハ以外の曲でも効果的!

私だけかもしれないと思ったので、
早速今日、生徒さんにも再現してもらったところ

あっさりと弾けました

(ただ、緻密なイメージが絶対不可欠なので、
そこを分かってもらうのが大変でしたね。)

エアピアノによる
イメージトレーニングは、
バッハだけでなく
全ての作曲者の作品で使える練習法です。

思考は現実化する。

これは、ピアノにおいても同じです。

リアルにイメージできた音楽のみ、表現できます。

頭の中で、どんどん理想の音楽を鳴らしましょう。

理想の音や音楽が分からない!
そもそも音が鳴らないよ!という方は
良い音楽に触れたり、聴いたりする経験が少ないだけなんです。

足りないなら、今からすこしずつ補えばいいんです。

先生に実際にお手本を弾いていただくのもいいですね。

よくあることですが。
もし、先生の演奏が
「思ってる音楽とちがうんだよな~」と感じても、

何がちがうと感じるのか
どうだったらピンとくるのか


考えるきっかけになりますよ。

比較するものがあると、
自分の理想の音がはっきりしてきます。

今はYoutubeや
音楽ストリーミングアプリなど
無料でいくらでも
上質な音楽に触れることができます。

CDを買うか、
借りるしか選択肢がなかった
私の学生時代と比べて
本当に夢のような時代になりました。

この恵まれた環境は
しっかりと享受し、
演奏に生かしたいですね。

上質な音楽にたくさん触れて
センスを磨きましょう。

そして
頭の中で描いた音楽を
エアピアノで再現して
理想のピアノ演奏に結び付けてくださいね。

ゼヒトモ内でのプロフィール: 西山陽子 / Long Pianolife Academyゼヒトモのピアノレッスンサービス仕事をお願いしたい依頼者と様々な「プロ」をつなぐサービス

2021.1.14

レッスン, 譜読み, 大切なこと, 練習法